進路選択というのは一大イベントといわれます。
しかし、発達障害をもつ子どもにとって、学校選びなどの進路選択はたいへん重要で、慎重になる必要があるといわれています。
そこで、軽度発達障害をもつ中学生の進路の選択についてご説明したいと思います。
障害による進路の違いを考える
まず一般的に、中学校を卒業するとこういった選択肢があります。
「全日制高校」
いわゆる普通の高校で、発達障害があると対応できないといった特徴があります。健常児に交じって生活をするため、発達障害でも軽度かグレーゾーンまでであれば通学も可能です。
「専門的な高校」
発達障害のある子供を高等学校に準じた教育を受けるための学校で、養護学校などがこれに当たります。障害を克服または能力を伸ばすことができるよう、工夫された教材を使うことによって勉強をすることができます。
「通信制高校」
通常の全日制課程の高校とは違い、毎日学校に登校する必要はなく自宅や学習センターなどで学ぶことができます。添削・面接指導(スクーリング)といった勉強方法によって単位を修得していきます。
「職業訓練校または就職」
専門的な技術を身につけるための職業訓練校、最近では発達障害者を積極的に受け入れている会社に就職するなど、職に関わる進路となります。
この中からどの進路を選ぶといいのか?
いちばん大事にするべきかのが「子供が進みたい道」を考えること。子供に聞いてみながら、障害の特性を考えてマッチングを図っていきます。
子供は素直なので「やりたくないことはにはイヤだ」と言うはずです。
障害の特性から子供の進路を選んでいく
軽度発達障害は知的障害を伴わない発達障害です。
軽度だからといって障害自体が軽いというわけではなく、
高機能自閉症やアスペルガー症候群、高機能広汎性発達障害といった自閉症スペクトラム障害、注意欠如・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)や発達性協調運動障害があります。
これらの障害の程度はその中学生の生徒によって症状は様々で、単独の傷害もあれば重複しているものもあります。こうした発達障害をもつ子どもには、小学校や中学校では通常学級でみんなといっしょに活動できたという子どももいます。
そのような子どもの保護者は、全日制の普通高校受験をしてほしいと考える場合が多いといえます。
しかし、中学校までみんなと活動できていた場合も、発達障害をもつ子どもは本当にそれで大丈夫だったといえるのでしょうか。
たいへんな努力をしていて無理をしてきたのではないでしょうか。
その点について本人に確認してあげることもとても重要です。
子どもが学校は楽しい場所で、勉強もみんなと一緒にできて高校に行きたいという時は普通高校を選択していいといえます。
逆に学校が辛い場所でうつなどが起るような状況だったのであれば、高校は普通高校ではなく、別の選択肢も考えた方がいいかもしれないといえます。
そして、子供自身にとって最善となる環境を選ぶことが大切です。
また、就職するという進路もあります。
進学後する場合は、卒業したら大学に進学するのか就職するのかについても考えることになります。学力が十分で、本人も勉強を継続したいという気持ちがある場合は大学に進学し、専門分野を活かして就職するという方法があります。
就職する場合は、一般就労か福祉就労を選択しますが、これはとても判断が難しい問題といえます。
ただしこれだけは注意してください。
一般就労では、
障害に対する配慮を期待することはできません。
福祉就労では自立して生活できるのに、十分な給与は得られないことが多いといわれています。
まだ発達障害に対する社会の理解は発展途上で、社会に出た後で問題が出てくることもあるといわれています。発達障害をもつ中学生の社会適応能力がどのくらいかは慎重に考慮しておく必要があるといえます。
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